住宅ローン金利が大幅に上がる前の具体的な対策一覧

住宅ローンを利用している人は「金利が上がる」というニュースをみて「今のうちに他の銀行に借り換えした方がいいの?」「固定金利に切り替えるべき?」と不安に思っているかもしれません。金利が上がると、毎月の返済額が増え、家計の負担が重くなる可能性があります。この記事では、金利上昇前にできる具体的な対策を紹介します。しっかり準備をして、金利上昇に負けない家計をつくりましょう!

目次

住宅ローンの金利が上がる理由と影響

政策金利の引き上げが発表され、金融機関の金利も上昇しています。これにより、預金金利だけでなく、借入金利(住宅ローンなどの金利)も上がる可能性があります。

預金金利があがると、預けているお金の利息が増えるメリットがありますが、借入金利が上昇すると住宅ローンの返済額が増えるリスクが高まります。

自分の住宅ローンが金利上昇の影響を受けるかどうかは、以下の記事を参考にしてください。

「長プラ」と「短プラ」はどっちを見るべき?

変動金利を選んでいる人は「短プラ」に注意!
固定金利を選んでいる人は「長プラ」に注目!

ニュースを見ていると「長プラ」「短プラ」といった言葉がでてきます。「どっちが私の住宅ローンに影響あるの?」と疑問に思われる方もいるでしょう。

固定金利型は契約時の金利がずっと続くため、長プラとの関係が深いです。一方で、変動金利の住宅ローンは一定期間ごとに適用される金利が見直されるので、短プラが上昇すると利率があがる傾向にあります。

金融機関によって住宅ローンの利率は異なるので、実際の利率や金利が見直されるタイミングは直接金融機関へ確認しましょう。

短期プライムレート(短プラ)長期プライムレート(長プラ)
借入期間1年未満1年以上
金利変動あまり変動しない頻繫に変動
影  響変動金利に影響固定金利に影響

住宅ローン金利が上昇すると返済額が増える

変動金利の人は、今後の金利動向に注意!
固定特約金利を選んでいる人は、固定期間終了後の利率をしっかり確認しよう!

住宅ローンの金利が上がると、毎月の返済額が増える可能性があります。選択している契約内容によって、あがるタイミングが異なることに注意してください。

固定金利の住宅ローンを利用している場合

金利タイプメリットデメリット
固定金利金利が変わらず一定変動金利より金利が高め
変動金利初期の金利が低い金利上昇時に返済額が増えるリスク
固定特約金利一定期間だけ固定される安心感固定期間終了後の金利が不透明

固定金利で契約している人は、金利上昇の影響を受けません。

契約時は変動金利より高い場合が多いので、これから住宅ローンを組む人は「固定金利」と「変動金利」をしっかり比較し、選択する必要があります。

今のような、金利が上昇傾向にある状況に強い点がメリットです。

変動金利の住宅ローンを利用している場合

変動金利で契約している住宅ローンは、金利の上昇にあわせて毎月の返済額が増えます。

一般的に1年に2回、例えば5月と11月など、半年ごとに利率が見直されます。借入額が大きいほど、返済額も大きくなるので注意してください。

固定特約金利(固定金利選択型)を利用している場合

固定特約金利(固定金利選択型)は、一定期間だけ金利を固定し、その後「変動金利」または再度「固定金利」を選べる仕組みです。

固定期間は3年・5年・10年などがあり、金融機関によって金利や条件が異なります。例えば10年固定金利の場合、契約から10年間は金利が変わらないものの、その後の金利は市場の状況次第なので不透明です。

固定期間が終了すると、何もしなければ自動的に変動金利へ移行するケースが多く、金利が上がる可能性があります。固定期間終了後も引き続き固定金利を希望する場合は、金融機関での手続きが必要です。

金利上昇のリスクを踏まえ、固定期間終了のタイミングをしっかり確認し、適切な選択をしましょう。

住宅ローン金利上昇に対する具体的な対策

すでに住宅ローンを借りており、返済額があがってしまう場合はどのような対策ができるでしょうか。3つ紹介します。

①繰上返済を活用する
②借り換えを検討する
③金利引き下げ交渉をする

④ 家計を見直して対策を立てる

① 繰上返済を活用する

繰上返済とは、住宅ローンの一部を前倒しで返すことで、支払う利息を減らす方法です。

期間短縮型:毎月の返済額は変えず、返済期間を短くする。
返済額軽減型:返済期間は変えず、毎月の支払額を減らす。

返済方法は2パターンありますが、どちらを選択しても支払う利息は減少します。手元に余裕資金がある方は、繰上返済をうまく活用して家計の負担を軽減させましょう。

繰上返済は手数料がかかる場合があるので、返済可能なタイミングとあわせて、利用している金融機関へしておくと良いです。

② 借り換えを検討する

より金利の低い他行の住宅ローンに借り換えることで、毎月の返済額を抑えられる可能性があります。

借り換えを検討するポイント>
❌利率だけで比較する
⭕手数料や諸費用も含めた「総支払額」を比較する

住宅ローンの借り換えには手数料が必要です。土地や家屋に抵当権を設定している場合は、事務手数料や保証料に加えて、抵当権再設定の費用もかかります。借り換えを比較する時は利率の低さだけでなく、手数料や諸費用も含めた「総支払額」が減ることを確認してください。

住宅ローンの審査は時間がかかるので、早めに準備しておきましょう。

③ 金利引き下げ交渉をする

銀行によっては、取引状況や条件によって金利を引き下げてもらえる場合があります。

銀行員と交渉する際のポイント
他の銀行のローン金利を調べ、比較していることを伝える
✅「金利引き下げが可能か?」と相談し、条件を教えてもらう

✅他行での借り換えや一括返済の意向があることを伝える

銀行員は金利引き下げの相談を受けると、本部へ申請を行い、承認をえる必要があります。そのため、銀行側に「この顧客の金利を引下げるメリットがある」と思ってもらうことが大切です。

銀行は他行の動向を強く意識する業界なので、「〇〇銀行では〇%の利率を提示された」と具体的に伝えましょう。給与の受取口座に指定する、投資信託やクレジットカードの契約をするなど、追加の取引を申し出ることも交渉の材料になります。

ただし、金利が上昇傾向にあるタイミングでは交渉が難しくなるのも事実です。もし交渉がうまくいかない場合は、無理に交渉を続けるのではなく、借換を検討するなど最適な選択肢を考えましょう。

④ 家計を見直して対策を立てる

住宅ローンの返済額が増えると、家計全体の負担も大きくなります。今のうちに固定費を見直し、ムダな支出を減らして対策をとりましょう。

通信費を削減(スマホのプラン見直し・インターネット契約の変更)
不要なサブスクを解約(動画配信・音楽・アプリなど)
✅保険の見直し(最適なプランに変更)

例えば、3000万円の住宅ローン(35年返済)を1.0%で借りている場合、利率が0.5%あがると、毎月の返済額が約7,000円増加します。年間でみると8万円以上の負担増になり、家計にとってかなりの痛手です。

しかし、通信費やサブスクなどの固定費を月7,000円見直すだけで、この負担を相殺できます。家計の支出を把握していない方は、この機会に家計簿をつけて、お金の流れを見直しましょう。

管理が苦手な方におすすめなのは「Money Forward ME」などの家計簿アプリです。スマホで簡単に収支を確認できるので、無理なく家計管理ができます。

住宅ローン金利が上昇する前に対策しよう!

現在のローン契約内容を確認する(変動金利 or 固定金利 or 固定金利選択型)
②繰上返済ができるか検討する
③借り換えや金利引き下げ交渉を進める
家計を見直し、無駄な出費を削減する

金利が上昇傾向にある今、ローンの金利もあがり続ける可能性があります。借入残高の大きい人ほど、繰上返済や借換などの対応を早めに検討しましょう。

また、これから住宅ローンを借りる方は、「本当に返済可能な金額なのか?」をよく考えた上で契約することが大切です。無理なローンを組んでしまうと、将来の家計が圧迫されてしまいます。

固定費の削減や、月々の返済額の上限を知りたい方は、お気軽にご相談ください。一緒に最適なプランを考えていきましょう!

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この記事を書いた人

保有資格:J-FLEC認定アドバイザー / 1級DCプランナー / 2級ファイナンシャル・プランニング技能士 / CFP/ 介護福祉士
経  歴:『幸福で安心な老後』をサポートする中立的なアドバイザー。介護業界で9年間働いた経験から、長生きリスクに備えたプランニングが得意。結婚、子育て、離婚などの人生経験をもとに、悩みに寄り添い、一人ひとりに合った最適なプランニングを心がけています。

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